ある糖尿病専門医の話
2018.6.9
歯茎の炎症が血糖値を上げる!
糖尿病の改善には歯周病の治療を
ある糖尿病専門医の体験から
私はリンゴをかじると、噛み口が血で染まるほどのひどい歯周病だったのです。しかも、糖尿病専門医でありながら、176㎝の身長に対して体重92kgという肥満体で、血糖値は境界行域、つまり、糖尿病予備軍の数値でした。
血圧も高めで不整脈もあり、まさしく『医者の不養生』。危ない状態でした。
そこで、まず私自身が歯周病の治療を受けることにしました。同時に、それまで朝だけ5秒ほどしかやっていなかった歯磨きを朝晩しっかりと行うようにしました。
すると、歯周病が良くなるとともに、体重が減り始めました。運動もするようになると、1年で18kg減って74kgになり、高かった血糖値と血圧も正常に。不整脈までなくなって、すっかり健康体になったのです。
歯周病を治すことで、何故、このような変化が次々に現れたのでしょうか。
それは、歯周病は全身の健康と関わっており、とりわけ糖尿病とはコインの裏表のような関係にあるからです。炎症を起こした歯茎の組織からは、悪玉ホルモンが出て、血流に入り全身を巡ります。そのため、歯周病があると、血糖値が上がりやすくなり、糖尿病の発症や悪化が進んでしまうのです。歯周病が厄介なのは、『小さな炎症が延々と続くこと』です。それによって、絶えず糖尿病が悪化し続けることになります。
また、歯周病で味覚障害が起き、濃い味や脂っこい物を好むようになります。その結果、肥満を招いね、糖尿病を悪化させてしまうのです。歯周病が改善できたら、血糖値が下がりますし、糖尿病を改善すれば、歯周病もコントロールしやすくなるのです。歯周病のある糖尿病患者さんは、是非歯科医院に定期的に通い、この『良い循環』を作り出していきましょうね